「接遇のチカラ」(6) 状況にあったあいさつ~第一印象の作り方

松原里美(まつばらさとみ)

こんにちは!第2・4月曜日を担当するコミュニケーション講師の松原です。
 良い第一印象のために心がけるべきポイントとして以下の4つを上げました。
1. 清潔な身だしなみ 2. 柔和な表情・笑顔 3. 状況にあったあいさつ 4. おちついた態度・仕草
 今回は3つめの「状況にあったあいさつ」についてです。
あいさつは単なる「出会った時の声かけ」ではありません。「おはよう」のたった一言でも、そこにはいくつものメッセージが込められています。例えば「あなたの存在を認めていますよ」「あなたに好意を持っていますよ」などといったものです。声をかけられた人は、瞬時にそのメッセージを受け取ります。
「あいさつは笑顔で明るく元気に」と言われます。確かにそれは正しいです。あいさつが陰気な表情や声だったら、「私、嫌なことしたっけ?」などネガティブな印象を持たれてしまいます。そうしないためにも、笑顔と明るい態度は必要なのです。
ですが、当てはまらないこともあります。私は病院職員への接遇指導で、「痛みや不安を抱える人には笑顔が不快感を与えることもある」と伝えています。良かれと思った明るさが「私がこんなに辛い思いをしているのに分かってくれていない。きっと大したことないって思っているんでしょ」と受け取られてしまうこともあるのです。だからこそ、たった一言の挨拶でも、相手の状況に応じて表情や声や口調を変える必要があります。
例えば、辛そうな表情で来院した人には、笑顔は控え、小さめな低めの声にします。これで「あなたが心配です」というメッセージを伝えます。医療機関ではなくても、ご家族の突然の入院で大変だったという同僚が出社してきたら、満面の笑みであいさつはしないですよね。
このように挨拶をするときには、相手の状況をみて、伝えるメッセージを意識してください。そこから表情や声、口調に変化をつけましょう。
日頃のあいさつが惰性になっていないかを振り返ってみてください。
その時その時を大切にし、状況に応じたあいさつを心がけましょう。

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この記事を書いた人

研修講師、地域密着ワークショップファシリテーター
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