講師のリスクマネジメント(2)占部正尚

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□ 講師道錬成道場『雙志館』通信 -2020年3月3日-

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■ワンポイント・エッセイ 講師のリスクマネジメント(2)
 いま、そこにある危機 その2  占部 正尚

 リスクマネジメントについて講義する際、「リスクは必ず周囲
に存在し、トラブルはいつか発生する」という趣旨の話をします。
 すると、ペップトーク(モチベーションアップのためのポジティ
ブな言葉がけ)という私の別テーマでの講義を受けた人から「と
てもネガティブな考え方だ」と指摘されることがあります。
 もちろん、トラブルが発生すること自体はネガティブな事象で
すから、指摘の半分は正しいのです。
 しかし、トラブルに備えることなく、発生してから驚き慌てて対
処するようでは、十分な対処策にはならず、さらにネガティブな結
末を招いてしまいかねません。
 さて、「備えあれば憂いなし」「転ばぬ先の杖」など、昔の人は
リスクに対する正しい姿勢を言い当てています。
 現代に生きる我々も、公私を問わず「自分が潜在的に抱えている
リスクは何か」「どんなトラブルが発生する可能性があるのか」と
いうことを、「自分と周囲の人々を守る」というポジティブな姿勢
で捉えながら洗い出し、一つ一つ対処策を考える必要があります。
 「当りまえのことだ」と思う人も多いでしょうが、近年の自然災
害や伝染病への対処を見ていると、政府も国民もリスクマネジメン
トの表面的な知識はあっても、現場で活かされていない不幸な場面
が多過ぎます。
 講師は『教え導く』という立場にありますので、実践レベルでリ
スクを認識し、自ら対処できるスキルを高めましょう。

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