■ワンポイント・エッセイ
選ばれ続けるための条件(7)細かい“感動”の演出 その4
占部 正尚
人は自身の期待レベル通りに事が運べば「満足」し、レベルを
超えると「感動」します。
これを研修・セミナーに当てはめると、テキストや配布資料の内
容を担当者から指摘されてから追加・修正すると満足され、講師
の側から的確に追加・修正する旨を告げると感動される可能性が
高まります。
講師は担当分野の知識・経験が豊富ですので、担当者からの要
望に的確に応えることができます。しかし、そこで胡坐をかいて
は、他の講師との優位性をアピールすることはできません。
やはり日頃から担当者と密に情報交換しながら、指示や相談を
受ける前に、「次回は演習の際に、口頭での発表に加え、板書か
スライドを使った具体的なものにします」といったように、提案
型のコミュニケーションを取るのが望ましいでしょう。
なかには自分の流儀にこだわる担当者もいますが、多くは「こ
の講師は自社のために考えてくれている」「この講師に任せてお
けば良い方向へ進むだろう」とポジティブな反応を示します。
最初の研修から5年ほど経ったとき、テキストや配布資料など
の内容の半分程度が修正され進化していれば、担当者は上層部か
らの心証が良くなり、講師に対する信頼感が増すでしょう。
選ばれ続ける講師は10年後を見据え、顧客企業の研修・セミ
ナー内容のバージョンアップを考えながら、少しずつ担当者へ提
案を繰り返しているのです。
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