労働という切り口で考える(3)占部正尚

■ワンポイント・エッセイ
 労働という切り口で考える(3) 肉体労働を支える“技”
                   占部 正尚

 今回は講師の仕事を“肉体労働”と見立て、心技体の“技”を
切り口として考えてみます。
 選ばれ続ける講師の中には、繁忙期になると毎日のように新幹
線や飛行機を利用して移動し、連日のように朝から晩まで講義し
続ける人がいます。
 こうなると、肉体を毎日研修会場に運び、まる一日壇上に立た
せ続けるための“技”が必要です。
 それは強靭な“体”ではないのか、という反論もあるでしょう。
しかし、どんな強者でも伝染病や予想外のハプニングには勝てな
いのです。やはり、そういったアクシデントに遭わないようにす
る備えや、もし災難が降りかかっても最小限に抑える工夫が大切
です。
 以前に私はタクシーの中で風邪をうつされ、喉を痛めて大変な
目に遭いました。それ以来、特に冬は外出の際にマスクと空間除
菌剤は欠かしません。
 また、喉を酷使したため突如として声が出なくなったこともあ
りますが、その時はマイクを顎の横に付けて骨伝導を利用して何
とか切り抜けました。
 普段は出張の際にホテルでぐっすり眠ることができるよう、宿
泊先は線路際ではないところを選び、かつ朝日が差し込まないよ
う、できる限り東向き以外の部屋を指定します。
 このように日頃の備えから、いざという時の機転に至るまで
“技”という表現でまとめましたが、ぜひ自分なりの“技”を
見つけ、選ばれ続ける自分作りの一助としてください。

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