ハラスメント問題について考える(7)占部正尚

■ワンポイント・エッセイ
  ハラスメント問題について考える(7)イメージ力の向上
                                    占部 正尚

 無自覚にセクハラをしてしまう人は、思考が自分本位であると
言わざるを得ません。「相手のスタイルの良さをほめたつもり」
とあくまでも自分を擁護し、相手がどれほど気分を害したかにつ
いては考えが及びません。
 こうした相手の側に立って気持ちを考える力、いわゆる「イメ
ージ力」は講師およびリーダーにとって必須のスキルです。もし
講師が「私の講義が理解できないのは、受講生の理解力が足りな
いからだ」という自分本位のスタンスであれば、少なくとも選ば
れ続ける講師にはなれないでしょう。
 さて、セクハラにおいて「イメージ力」を高めるには、「自分
の大切な人が、第三者からセクハラ発言をされたらどうする?」と
考えてみるのが第一歩です。
 ただし、この段階で「私の妻にいやらしい言葉を投げかけるとは、
けしからん」、「異性の容姿に触れる発言は、セクハラと受け取ら
れる危険性が高いので控えよう」と気づく人は、おそらくセクハラ
行為で問題視されることは少ないでしょう。
 問題は、頭の中で考えただけでは「気づき」を得られないレベル
の人たちが多いことです。
 これに対して、企業や行政機関で実施されているセクハラ対策研修
では、セクハラ行為を再現した動画や寸劇を見せ、具体的なイメー
を抱かせるよう工夫しています。
 次回は、それでもイメージできないケースでの対応策について解説
します。

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