信用と信頼をつくる(1)占部正尚

■ワンポイント・エッセイ

      信用と信頼をつくる(1)     占部 正尚




 講師にとって、お客様から信用され信頼されることは、選ばれ


続けるための条件となり、非常に重要なことです。


 まず「信用」とは、何らかの裏付けがあって、相手に好ましい


感情を抱かせることです。


 例えば、銀行が融資をする際に、融資先の資産や業績といった


裏付けを取り、融資をするか否かの判断をします。


 講師の世界では、保有する資格や登壇実績、他社での評判などが


裏付けに相当します。信用を高めるためには、より高度な資格取得


や、登壇実績を増やすための営業活動、出版やTV出演などマスコ


ミへの露出などが必要です。


 一方「信頼」とは、裏付けとは関係なく、無条件で好ましい印象


を抱かせることです。


 家族や親しい友人の間では、その人が仮にマイナスの行為を行った


としても、「あの人には、他に良い面がある」「自分たちが立ち直


る手助けをしてあげよう」と、理由や条件とは関係なく思うことが


多いでしょう。


 講師の世界では、仮に研修中に何かトラブルが発生しても、終了


後の受講生アンケートの結果が芳しくなかったとしても、担当者に


「あの講師のことだ。きっと特別な要因があるに違いない」と味方


に付いていただけることが挙げられます。


 実は、この信頼をお客様から得ることが難しく、だからこそ選ば


れ続けるためには是非とも必要なことなのです。次回以降、信用と


信頼の違いをさらに詳しく考えていきます。




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