ファシリテーションで多様性を活かす(48)

水江 泰資(みずえ ひろよし)

こんにちは! 毎週水曜日を担当します水江 泰資(みずえ ひろよし)です。
 本エッセイでは、少人数の打合せや会議運営で役立つファシリテーション・スキルを紹介しています。
 今月は、『オンライン会議での議論の進め方』について、主に司会役に役立つ「意見をまとめる方法」をテーマにしています。
前回までは「分類」と「類型」というふたつの方法について、具体例を挙げて説明しました。
 今回は「まとまった意見を実践にうつす」を解説します。
 ビジネスにおける会議の目的は、議題について話し合い、次の行動計画を決めることです。参加者同士の「話せてよかった」「すっきりした」といった感情を満足させるだけでなく、次に何をするのかをはっきりさせておかなければなりません。
 しかし、会議が終わった後のことまで考えて、司会進行をする人はなかなか少ないようです。
 皆さんの職場でこんなことはありませんか。
 司会者が、参加者の意見を引き出し、結論をまとめたのに、その後計画が実行されず、参加メンバー同士でうやむやにしてしまうようなケースです。
 「あれ、やっておいてくれましたか?会議で決まった件だけど…」と問えば、「すぐにやらなくてもいいんですよね」と返答を逸らしたり、「それ、私がやるんでしたっけ?」とまるで他人事だったり…。
 こんな状態になっては、会議に費やした時間はもちろん、司会者の努力も報われませんね。
 こうならないよう、会議の司会者は、話し合いがうまくいって結論が出るのがゴールではない、と認識しておくことが大切です。結論して今後の行動が決まったら、それを「誰が」「いつまでに」「どのように」行うのかまで決める必要があります。ここまで決めておけば、後は、それがきちんと実行されているかどうかは、司会者ではなく、担当者やその上司の責任となります。
 次回は、引き続き「まとまった意見を実践にうつす」について司会者のやるべき仕事を解説します。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

研修講師、国際認定ファシリテーター

→プロフィールはこちら

目次