ファシリテーションで多様性を活かす(37)

こんにちは! 
毎週水曜日を担当します水江 泰資(みずえ ひろよし)です。
本エッセイでは、少人数の打合せや会議運営で役立つファシリテーション・スキルを紹介しています。
今月も『オンライン会議での議論の進め方』をテーマに、主に司会役に身に着けてほしい、話のまとめ方や参加者の満足度を高める方法を紹介します。
前回までは導入編として、会議とは何か、そして、会議の話し合いには3つの種類(まずは会話、次いで対話、その発展の上に議論)があることを紹介し、そのうちの「会話」について解説しました。今回は「対話」です。
対話とは、お互いを理解し合い、新たな視点を見つけ出すための話し合いです。議題に対して、なぜある人は反対し、ある人は賛成するのか、あるいは賛否を決められない人はどう考えているのか、率直な意見交換で参加者それぞれの立場や背景を共有します。
まず会話で場を和ませてから話し合いをするわけですが、発言が多いほど意見がばらけたり、方向性を見失ったり、場が膠着する局面になることがあります。そのようなとき司会役として活用したいのが対話です。前回(会話編)挙げた例で紹介します。
(会話で)「最近音楽聴いてる?」「〇〇を聴いてる」「へ~、最近の人?」…「そろそろ(本題に)入ろうか」
(話し合いが始まり)「コロナも続きそうだし、うちも他のレストランに倣い宅配に特化したらどうかな」「テイクアウトがいい。わざわざ来てくれる顧客こそ大事にしないと」「それよりメニューを見直さない?」とだんだん意見がばらつきかみ合わなくなってきて…
(対話の活用)「そもそも、うちの商品の強みって何だっけ?」
この後、議題の価値や意味を問い直したり、確認し合う発言が重なっていけば、会話から対話モードに移っています。「そもそも論」ともいえます。
対話のフレーズを投げかけるタイミングは、参加者同士で「相手は分かっていないかも…」「言っている意味が分からない…」といった感情が出てきた時が効果的です。
次回はいよいよ議論の進め方の実践として「実りある議論に必須の5つのポイント」を紹介します。

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この記事を書いた人

研修講師、国際認定ファシリテーター

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