言葉づかいを正す(2)占部正尚

■ワンポイント・エッセイ
  言葉づかいを正す(その2) 占部 正尚

 受講生が「~させていただく」という表現を必要以上に使って
話したり書いたりした場合、講師としてはきちんと理由を付けて
正してください。
 この「~させていただく」は、相手の許可をもらって行動する
ケース、あるいは行動することで恩恵にあずかるケースで使うべ
きものであり、単に自分の行動を知らしめるときは「~いたします」
とシンプルに表現すればよいのです。
 したがって、「デビューさせていただきます」は「デビューいた
します」、「お贈りさせていただきます」は「お贈りいたします」
「お悔やみを申し上げさせていただきます」は「お悔やみを申し上
げます」と伝えるのが、より正しい言い方です。
 おそらく芸能事務所が所属タレントの好感度を上げるために、イ
ンタビューで発言する際に「~させていただく」と付け加えるよう
指導し、そのような表現がテレビやラジオで広く流れてしまったこ
とが、敬語の誤用を一般化させた要因と思われます。
 しかし、講師たる者、そのような風潮に惑わされることなく、自
分の専門分野にかかわらず、誤用に気づいたときには適切に指導し
てください。

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