■ワンポイント・エッセイ
講師に求められる仮説力と質問力(その7) 占部 正尚
「あなたにとってスケートとはどんな存在ですか?」という
拡大質問に「私の人生です」と答えた浅田真央選手に対し、今
度は絞り込んだ分解質問が記者から向けられます。
「一番印象に残った試合は?演技は?」これに対し、バンク
ーバーおよびソチ五輪での思い出に話が及び、最後に視聴者が
最も知りたい部分の限定質問が投げかけられます。
「引退を決意した直接のきっかけは?」これに対し、前年の
全日本選手権で過去最悪の成績となり、引退の時期を悟ったこ
とを浅田選手は率直に話したのです。
このように、拡大質問→分解質問→限定質問という、大きな
概念の質問からだんだん絞っていくという流れは、相手の頭の
中を整理したり、あまり言いたくないような深い部分の回答を
引き出しやすくする効果があります。
では、研修の場面で受講生から「モンスターに対しては、
“顧客志向”は必要ありませんよね」という、一方的な見解や
思い込みによる質問が飛び出した場合、どのように質問を繰り
出しながら仮説を立て、指導していったらよいのでしょうか。
次回は、選ばれ続ける講師が実践すべき、仮説の立て方と質
問の流れについて解説します。
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